ダークマター:無を証明する科学者たちの挑戦
宇宙を語る上で避けて通れない存在、
それが「ダークマター」。
目には見えないし直接感じることもできない。
なのに、宇宙の27%を占める重要な存在、
宇宙の骨組みとされています。
その姿形も素材も不明──
まさに「無のもの」を証明しようとする
科学者たちの奮闘が続いているのです。
「存在する」に至るまでの謎
ダークマターが考えられるようになった背景には、
銀河の回転速度や宇宙膨張をめぐる計算のズレがありました。
目に見える物質だけでは説明がつかない現象が観測されたため、
科学者たちは「きっと目に見えない何かがあるに違いない」と仮説を立てたのです。
この仮説は、宇宙物理学における大きな一歩でした。
銀河の回転速度や質量分布が示す謎については、
東京大学のダークマター研究でも詳しく説明されています。
ダークマターについて | XMASS
「無」を見る目
ダークマターを証明する挑戦は、いわば「無」を見る努力です。
科学者たちは粒子検出器や天体望遠鏡を駆使し、
その痕跡を探しています。
重力効果や銀河の構造からその存在を推測することで、
「無」が作る影のような手がかりを探り続けています。
なぜ証明するのか?
それでも、なぜ「無のもの」を証明しようとするのでしょうか?
その答えは簡単です。
宇宙を理解するためには、
ダークマターの正体が不可欠だからです。
ダークマターを解明することは、
宇宙そのものを解き明かす鍵となるかもしれないからです。
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